ほのぼのCMの裏の顔(転換の誘い)
最近、ある日本の大手の保険会社は、「ご契約内容確認活動」をしています、という内容のテレビCMを流しています。
契約内容確認活動とはなんなのか、CMを見ただけではよくわからないですが、どうやら保険に加入した後、(担当営業員が辞めたりして顔を出さなくなったので)そのままになっている契約者を訪問して、なにか変更事項はないか、給付金手続きが疎かになってないかどうかなどをチェックしてあげましょうという趣旨のようです。
だから、久しぶりに保険会社から電話が来てもびっくりしないでねとCMで告知しているのでしょう。
また、昔うちの保険に入ったきりでそのままなら、お近くの支店にご連絡下さいね、と呼び掛けるねらいもあるかも知れません。
「なるほど親切な保険会社だな」と思ったあなた、それは大間違いです。
実はこのCMの裏には、保険会社の隠された意図・目的があるのです。
それはずばり保険の転換の誘導です。
保険の転換とは、自社の新しい(と称する)保険に乗り換えさせることを言います。
具体的にいうと、現在加入している保険を解約して新しい保険に契約し直すことです。
保険会社の営業は転換をすすめる際、「転換したほうが保険料がお安くなります」、「あたらしい保険はポイント制でポイントが貯まればその分保険料が割り引かれます」、「こちらの保険のほうが、よりご家族のライフプランに対応できます」など、さも転換をすれば加入者が得をするかのようにすすめてきます。
しかし、これは言葉のレトリックであり、転換して加入者が得をするなんてことはまずありはしません。得をするのは保険会社だけです。
ちょっと考えればわかりますが、保険に加入して10年後に転換したとすると、その時点からまた保険期間が始まるので、それまでの10年の保険期間に支払った保険料は無駄になってしまいます。
また保険料が安くなると言っても、前の保険を解約した時にもらえるはずの解約返戻金を、下取りとして新しい保険料の一部に充てていたり、保障金額が下がっていたり、以前付いていた特約が無くなっていたり、次の更新時に保険料が大幅にアップする等、契約者に不利な理由があるからこそ保険料は安くなるのです。
保険会社が転換をすすめる理由は明らかです。
バブルの頃までは保険の予定利率が高かったので(90年前後には20年以上の保険の予定利率は5%を超えていたが、現在は1.5〜2%程度)、その頃加入した保険は全体的に保険料が安いのです。
保険会社から見れば、当時契約した保険は逆ザヤになっており、保険は長期にわたる商品なので、損を出し続ける契約を長期間大量に抱えていることになります。
そんな状況を解消するために(保険会社の一方的都合で)、思いついたのが転換であり、ポイント制導入などの目新しい保険商品の開発であり、契約内容確認活動なのです。
保険会社が勧める転換に絶対乗ってはいけません。
